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ウッド(木製)ミュート
アンカー 1

この黒檀製の三本爪型ミュートは、本プロジェクトで取り上げた中でも最も伝統的なタイプです。装着方法は、ミュートをブリッジ(駒)にはめ込むだけですが、装着時に弦に触れると音に微妙な干渉が生じるため、慎重に装着する必要があります。
黒檀は比較的柔らかい木材ではあるものの、通常ブリッジに使われる楓材に比べてはるかに硬く、ゴム製ミュートのように黒い跡が残ることはありませんが、強く押し込みすぎるとブリッジに痕やへこみができる恐れがあります。逆に、しっかりと固定しなかった場合には、弾いて数小節後にはミュートが浮いてガタつき始めたり、特にG線で強く音を出した瞬間にすぐ外れてしまうこともあります。もちろん、使用していない間は演奏中にどこか別の安全な場所に保管しておく必要もあります。
音色の変化は非常に大きく、重い金属製の練習用ミュートを使ったときに近い印象を与えます。音の質感としては、ノコギリ波のようなざらつきが感じられ、「紙やすりのよう」とも表現出来るかもしれません。しかし、それはビブラートや弓の当て方といった奏法によってある程度緩和することができます。適切な文脈で用いれば、非常に強い音楽的効果をもたらすミュートであることは間違いありません。

Open G String (G3)

Open D String (D4)

Open G String Pizzicato (G3)

Open G String (G3)
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