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Spector Mute

アンカー 1
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スペクター・ミュートは、シカゴ交響楽団のヴァイオリニストであったフレッド・スペクターによって設計され、彼の名を冠しています。他のスライド式ミュートと同様に、使用していないときでも楽器に装着したままにでき、使用する際はブリッジ(駒)に向かってテイルピースからスライドさせて、D線とA線の間に配置します。

比較的硬めのゴムで作られており、カラーのバリエーションも複数あります。ミュート自体の幅がやや広いため、摩擦の影響で一部のヴァイオリンではスライドしづらい場合があります。ただし、多くのゴム製ミュートとは異なり、ミュートとブリッジの接触面積が小さいため、ブリッジに跡が残ることはほとんどありません。

このミュートを使用した際の音の印象は、他のミュートに比べてそれほど大きく変化しません。聴感上および視覚的にはある程度の違いはあるものの、低音域では変化に気づかない人もいるかもしれません。しかし、このミュートは高音域に近づくにつれて特定の高次倍音がより強調される(もしくは他の倍音が抑えられる)傾向があり、鋭い印象を与えます。ただし、音色の性格そのものはセンツァ・ソルド(ミュートなし)の状態とそれほど変わりません。そのため、このミュートは音量や音色をあまり変化させたくない場合の選択肢となるでしょう。

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