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Heifetz Mute

アンカー 1
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オリジナルのハイフェッツ・ミュートは、1947年にヘンリク・カストンとヤッシャ・ハイフェッツによって設計され、その後いくつかの改良を経て1989年に再登場しました。このミュートは、D線とA線の間の駒上に置くことで装着されます。使用していないときには、ブリッジの後ろ側の弦の上に置いておくことも可能ですが、カタカタと音を立てるのを防ぐために、別の場所に保管する方が安全かもしれません。

主にゴム製で作られており、特筆すべき点は、ミュート全体を覆う金属製のテンションクリップです。これをスライドさせたり、ミュートの差し込み具合を調整したりすることで、演奏者は音のテンションや音色を変えることができます。ただし、テンションを最大にした状態では非常に硬く、ミュートの装着が難しくなることもあります。また、他のゴム製ミュートと同様に、長期間使用するとブリッジに黒い跡が残る場合があります。

完全にミュートをかけた状態では、低音域の「むき出し」な音がしっかりとカバーされ、音に丸みが出ます。ただし、ある程度の力で演奏した場合、音がややざらつき、弦がごろごろと鳴るような質感が出ることがあります。音の傾向としてはトルテ・ミュートに近いものの、ハイフェッツ・ミュートの方が物理的に音を押さえつけているような、より強い印象を与えます。開放弦のD線では鼻にかかったような音色になることもありますが、中音域は他の多くのミュートよりも音に存在感があり、明瞭でしっかりとした芯があり、高音域ではさらに強い響きが得られます。

テンションの緩め具合によって音が大きく変化する点も特徴です。一般的にはテンションを緩めるほど、センツァ・ソルド(ミュートなし)の元の音に近づいていきます。ただし問題なのは、ミュートを一度外して再装着した場合、まったく同じ音を再現するのが非常に難しいことです。

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